今日は日本とチリの文化の違いを一つご紹介いたします。社会人の方は必ず経験したことがあろう就職活動。(日本にいる頃はそう思わなかったけれど、)みんな同じ服を身にまとってイベント会場へ向かう姿は今となれば妙な光景です。

日本とチリの就活の違い

日本とチリの就活に対するアプローチは少し異なります。
チリでは大学在学中にインターンシップのような形で企業で研修を行います。大学の制度まではまだ十分に分からないのですが、おそらく必修科目のような形でインターンを実施することはマストなんだと思います。
実際に今勤めているところでも、研修生が1名在籍しています。
研修とは言え、一応サービス料として会社は報酬を与える形になっています。その報酬を支払うためには、個人事業主として「Boleta de Honorarios」形式の請求書を発行する必要があります。
ということは、その時点から「個人事業主」として事業登録しているってことになります。日本ではまず考えることができない習慣だと思います。

インターン先の企業を探す方法としては、通っている学校からの推薦なんかもあると思いますが、学生の親が気になる企業の従業員へ「インターンの受入枠が空いているか」を直接確認してくることもあります。
この瞬間からチリの就職や転職市場において「人脈」がかなり重要ということが分かります。この人脈をチリではピトゥート(pituto)と呼んだりします。
実はこのチリのシステムは結構良い習慣だなと思うところがあって、企業に入り込んで研修を行うことによって「リアルな職場環境」を知ることができるからです。
日本では無事入社して、そこで初めて社内の雰囲気とか分かるケースがあると思います。少なくとも僕は入社前は本社の良いところだけを見ており、配属は田舎だったので抱いていたイメージとのギャップが大きかったです。なので、一回働いてみて気に入らなかったら、そこで働くというのを選択肢から外すことができます。

ふと就活をしていた頃の自分を思い返してみたのですが、数多くある企業の中から相思相愛になる会社を見つけることはとても困難でした。相手にめちゃめちゃ好かれても自分が気に入らなかったり、自分はかなりアタックしているのに全然相手にすらされなかったり。
これって、まるで恋愛のよう。
この記事を読まれている方で学生さんはあまり多くないと思いますが、面白いサイトがあったのでここでご紹介させていただきます。無料で利用できる就活サイト「キミスカ」で、企業からのスカウト型となっています。
自分が就活していた頃にはなかった(と思う)アイデアです。知名度の高い大手企業以外の企業と、しかも自分のことをプロフィール上は興味を持ってくれている企業と巡り会うことができます。気になる方は一度のぞいてみてください。
インターンで人気のある企業
今勤めている会社では1名だけインターン生を受け入れているのですが、チリ国内でインターン先として人気のある企業はどのようなものがあるのでしょうか?以下に現在インターン先として人気のある企業のランキングを掲載しております。これらの企業が学生からアプローチの多い企業、または企業戦略として学生を受け入れたい会社となります。
1位 | Natura (化粧品) |
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2位 | Kimberly-Clark (衛生用品) |
3位 | Bci (金融・銀行) |
4位 | Agrosuper (食品) |
5位 | AB InBev (飲料) |
6位 | Falabella Retail (小売) |
7位 | L’Oreal Chile (化粧品) |
8位 | Banco Santander Chile (金融・銀行) |
9位 | Kunder (金融テクノロジー) |
10位 | Walmart Chile (小売) |
11位 | CCU (飲料) |
12位 | BDO (コンサルタント) |
13位 | Falabella Financiero (金融・銀行) |
14位 | Arauco (木材) |
15位 | DHL Global Forwarding (空運) |
16位 | Mc&Grey Group (コンサルタント) |
17位 | Sura (保険) |
18位 | SQM (鉱山) |
19位 | Nestlé (飲料) |
20位 | PepsiCo (食品) |
いかがでしたでしょうか?
このランキングからどのような企業がチリ人学生にとって人気なのかがなんとなくお分かりいただけましたでしょうか?インターンからそのまま社員になるようなケースもあるようです。
それでは今日はこの辺りで。