今回チリで起きている暴動や抗議の根元はチリの格差社会がひとつ挙げられます。最低賃金は今年の3月から月301,000チリペソとなっていますが、一体どれぐらいの格差が生まれているのでしょうか?ちょっと古い記事の情報ですが、2016年に国有企業の役員クラスの給与情報が掲載されておりましたのでご紹介します。
結論から言うと、チリ国営企業に勤めている役員クラスの報酬は、確かにマジ半端ないです。
日本のある国営企業と比較するとトップクラスで3倍程度、チリ国営企業の役員の方が報酬を得ております。
CODELCOというチリ銅公社は世界的に有名な大企業になりますが、こちらはチリの国有企業です。そちらの2016年時点の年間報酬金額はこちらになります。
オクタビオ・アラネダ | Codelco Norte事業所操業部長、約7,230万円 |
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フアンカルロス・アヴェンダーニョ | Salvador鉱山長、約6,470万円 |
マウリシオ・バラサ | Radomiro Tomic鉱山長、約6,065万円 |
セルヒオ・パラーダ | Chuquicamata鉱山長、約5,940万円 |
アルバロ・アリアガ | Codelco Centro Sur事業所操業副社長、約5,800万円 |
ホセ・サンウエサ | Ventana事業所長、約5,440万円 |
マウリシオ・ラライン | El Teniente鉱山長、 約5,400万円 |
リカルド・モントジャ | Gabriel Mistral鉱山長、約5,200万円 |
ネルソン・ピサロ | 社長、約4,900万円 |
ロドリゴ・トロ | 営業副社長、約4,870万円 |
日本だとJBIC(国際協力銀行)は国有企業のひとつですが、そこの総裁で約2,350万円(平成29年度)なので、Codelcoの年収トップの方の約30%程度の報酬となります。
もう一回言いますね。チリの最低賃金は5万円程度。差が激しい!!!
同じ記事にチリの代表的な国有企業とそこの役員クラスの平均給与が出ています。
CODELCO | チリ銅公社、283,865,085ペソ(約4,730万円) |
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Banco Estado | チリ国立銀行、183,890,893ペソ(約3,000万円) |
ENAP | チリ石油公社、168,329,874ペソ(約2,800万円) |
Metro Santiago | サンティアゴ地下鉄、124,744,000ペソ(約2,000万円) |
TVN | チリ国営放送、123,863,333ペソ(約2,000万円) |
EPSA | サン・アントニオ港、102,421,250ペソ(約1,700万円) |
EFE | チリ国鉄、85,097,524ペソ(約1,400万円) |
やはりチリは鉱山の国です!断トツでCODELCO役員の報酬が高いですね。おそらくその会社で働いている従業員の給与も高いんだろうなぁ…
今回地下鉄の値上げがきっかけとなって大規模なデモが発生していますが、根本的なところは貧富の差が激しいということが国民の不満につながっています。このデータだけ見ると分からないこともないです!