海外勤務

【駐在員は知っている】プロジェクト契約管理の肝

三男
三男
契約書の大切さは分かったけど、実はもっと重要なことは「契約書をどう管理するか」だヌイ!

本記事の内容

  • この記事ではプロジェクト向け契約書管理の必要性とそのポイントをご紹介します。

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  • 南米チリ在住6年目の純日本人男性
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前回・前々回と海外勤務において必要とされる知識をご紹介してきました。

でもこれらの記事をどうやって活かせばいいんだと悩みませんか?

この記事で紹介する「管理」について学ぶと、『日頃の業務に活かすこと』が可能です。

僕も実際に日頃の業務の中に、『エッセンスを取り入れる』ようになったからです。

この記事では、「契約書管理」を紹介して、『プロジェクト契約のまとめ』もご紹介します。

記事を読み終えると、今後「契約書関連」で必要なポイントを押さえることができ、『業務管理』ができます。

 

プロジェクト向け契約書管理の必要性

プロジェクト向けの契約書とは何ぞやということを前回、前々回の記事でご紹介してきました。

この記事ではプロジェクト向けの契約書をどのように管理していくかをお伝えしていきたいと思います。

プロジェクトの成功は契約書にかかっていると言っても過言ではありません。

だからこそ、きちんと学習していく必要があります。現にこのクラスにはすでに社会に出て、大手企業で勤務しているチリ人がいます。

 

海外勤務には大きく分けて2つのニーズが存在しています。

一つは、恒常的なオペレーション。もう一つは、一時的に必要とされるプロジェクトもの。

これまでに伝えてきている手法はプロジェクトものに有効なものとなります。

ただエッセンスはプロジェクトものではない契約書にも使えるものとなっておりますので、本質を学ぶことでご自身の業務・マネジメントに生かすことができるのではないでしょうか。

 

もちろんエンジニアとしてガンガン開発の中心になっていく方もいらっしゃれば、バックオフィスとして勤務される方もいらっしゃいます。

両者にとって海外勤務で一番苦労することはチリ人社員から適正な情報を聞き出すことではないでしょうか。ここでは何を聞き出して管理していくべきか、契約書の管理に必要なポイントをお伝えしていきます。

 

管理のポイント

まず大前提として、プロジェクトを開発していくにあたり必要なことが2つあります。

  • プロジェクトがサステナブルであり続けること
  • プロジェクト開発において、投資前フェーズに定義づけたパラメーターを達成すること

 

近年は特に「経済」「社会」「環境」と、この3つにおいて持続性のあるものでなければなりません。プロジェクトを実行する前には、特に「環境」「社会」の分野においては専門家に調査してもらうことがマストとなります。

 

プロジェクト申請時には承認してもらえるために、それぞれの調査結果を提出します。申請が承認された暁には、RCA と呼ばれる証明書のようなものが発行されます。

 

RCAとは?

SEIA(環境影響評価システム)に提出されたプロジェクトや活動が環境的に適格であることを証明し、それを実行するための環境条件や要件を含む、環境評価手続きの最終的な行政行為。

 

その RCA に条件が記載されていますので、その条件をクリアしていく必要があります。特に建設プロジェクトは数年かかる長いものもあるので、管理が重要となってきます。

 

建設するために EPCM 契約を締結したりしますので、その契約内容の精査および管理が必要となってくるのは言うまでもありませんね。

 

管理対象となる 15 のポイントをざっくりとご紹介します。

 

契約関連書類の知識、人材と重機の配置、プロジェクト関連書類と許認可の提出、HSEC、契約締結済みのサービスの統治・実行・管理、責任範囲の作成と更新、変更の管理、計画と予算管理、工事中の速度と安全品質、書類管理、費用精算、人間関係、論争の早期解決メカニズム、契約終了、プロジェクト管理の振り返り

 

 

管理ポイントの詳細

こちらでは先ほどの章であげた 15 のポイントについて確認していきます。

契約関連書類の知識

当然と言えば当然ですが、契約当事者の担当者および管理者は契約内容をしっかりと理解する必要があります。契約書とは、当事者間で合意された内容を記載した書類であり、当事者間の法律にあたります。従って両者が理解できないような複雑な契約にしてはいけません。

 

請負業者側の立場では、契約書を締結する前からリスクの特定化が必要となります。委託者から出てきていない潜在的なリスクが潜んでいる可能性があるからです。また、どのような契約形態であるかも交渉中に把握しておくことが推奨されます。

契約関連書類(契約書本体・技術仕様書)はきちんと整理しておき、いつでもアクセスできるように努めましょう。質疑応答をまとめた処理も書面に残しておきます。

 

 

人材と重機の配置

約束されたプログラムと条件に基づき、当事者は動員数と機材をタイムリーに確認しなければなりません。仮に契約書類に記載されていない場合は、工事のキックオフミーティングで委託者がそれぞれの代表者の役割と貢献内容を広く詳細に設定する必要があります。この時に ITO(Inspección Técnica de la Obra)を用いることも有効です。

フィールドワークのための事務所は契約開始日から機能しておく必要があります。

 

プロジェクト関連書類と許認可の提出

委託者に義務があることはタイムリーかつ完璧に実施している必要があります。例えば、プロジェクトに関する情報を契約業者にくまなく伝えたり。委託者サイドで取得すべき許認可を揃えておくとか。また委託者が供給すると謳われている物資を支給するなど。

 

 

HSEC

HSEC とは英語の略語です。

Health, Safety, Environment and Community

プロジェクトの申請が環境影響評価システムで評価された後、RCA という証明書が発行されます。その中に約束ごとが細かく記載されており、委託者および契約業者はそれに記載されている内容をコミットする必要があります。

 

 

契約締結済みのサービスの統治・実行・管理

建設プロジェクトで使われる EPCM 契約には「エンジニアリング、調達、建設・試運転、マネジメント」が含まれます。

契約業者は契約を開始する頃からプロジェクト計画書とその管理を実行しなければなりません。管理方法の一つとして、委託者と受託者の間で情報交換を目的とした会議を実施します。

 

またプロジェクトにはトラブルがつきものです。それらの問題を速やかに解決するために現場レベルにある程度権限を落とすことが推奨されています。そうすることで早い決断が取られ、遅延などの被害を最小限に留めることが可能となります。

これらの決断事項は全て書面に残しておく必要があります。チリでは、Libro de Obras Digital(デジタル式の工事記録のような物)と呼ばれます。

 

受託者は契約内容を定期的に確認していきます。

 

 

責任範囲の作成と更新

責任範囲を明確にするために管理表を作成することが勧められています。チリでは、『Matriz de Responsabilidad』と呼ばれます。作成して満足するのではなく、毎月更新していくことが重要です。

 

管理表は、『Alcance de Trabajo』や『Asignación de Responsabilidad』とも呼ばれます。管理表には契約内容を網羅しておかなければなりません。各タスクの責任者は一人のみ

 

 

変更の管理

契約前に工事内容全てが把握されていないケースもあります。その場合は追加工事や設計の変更が発生してきますが、契約業者はそれを速やかに委託者に伝える必要があります。委託者はその内容をきちんと把握して評価します。

 

 

計画と予算管理

契約業者は通常2週間から1ヶ月で委託者によって承認された内容でプログラムを策定します。作成されたプログラムとその予算は毎月管理されなければなりません。管理方法としては、それぞれ書類が用いられます。

 

プログラムの管理は工事進捗の報告書。スペイン語では『Informe de Avance』と訳されることがあります。その報告書によって工事の実行計画と進捗の偏差が確認されます。確認後にはどのように修正していくか等が議論されます。

 

予算の管理は支払いに関する報告書。スペイン語では『Estado del Pago』と呼ばれます。契約業者にとって資金はかなり大切です。委任者は内容を確認して速やかに支払いを行うこと。

仮に内容に違和感があって確認が必要な場合は、合意できる点だけでも支払うことが推奨されています。また繰り返し発生する費用は前払いしておいて、月末に差額を調整するという方法もあります。

 

 

工事中の速度と安全品質

委託者としては予定通りに工事を完成させたい!とばかりに、工事業者に圧力をかけるシーンなどが簡単に想定できると思います。ただし、むやみやたらに圧力をかけることは推奨されておりません。

 

仮に工事のスピードを上げたい場合はきちんと評価を実施する必要があります。スピードを上げても安全性や品質に影響を及ぼさないのであれば実行可能です。

 

 

書類管理

書類をきちんと管理することが推奨されているのには理由があります。プロセスのバックデータとなるからです。それを準備しておくことでこれまでに行ってきた情報を確認することができます。また、製品の場所やルートなども把握することが可能です。

口頭でのやりとりは正確な情報としての裏付けとしては弱く、基本的に当事者によって署名された書面が有効となってきます。全てのことを全て正直に。これが契約管理の鍵となります。

 

プロジェクトの技術関連書類の管理は、契約管理者直下のスペシャルユニットで行います。

技術関連書類とは、図面・仕様書・報告書・計算書など

 

工事のトレーサビリティを得るために、通知書・議事録・工事記録が有効です。資金管理のためには、銀行の保証・保険証書・EDP・契約書・契約書付属・変更記録などが有効となります。

 

費用精算

「説明責任(Accountability)」があるかないか、という点がポイントとなります。説明責任を全うするために当事者はリソースを提供しなければなりません。

特に費用面のアカウンタビリティーは、会計部門の監査実施時に役立ちます。

 

透明性が大事とされます。

EDP・変更履歴・機材や資材の発注書は透明性を持つのに有効です。

 

 

人間関係

よく疎かにしがちなのが人間関係。

建設プロジェクトにおいては、委託者が購入するものは「エンジニアリング」と「建設」であるということを理解すること。それには「品質」「保証」が大事となります。

これらは良好な人間関係も必要で、プロジェクトの初期段階から両者が努力しなければなりません。

 

 

論争の早期解決メカニズム

論争の早期解決メカニズムの条項を契約書に盛り込むことを忘れてはいけません。論争防止策として、Dispute Board や 専門家の技術委員会などが用いられます。

 

 

契約終了

プロジェクト契約終了時の条件。

モニタリングと保証が必要となります。

完成検査・コミッショニング・試運転・竣工図などが条件

当然ですがこれらの条件を満たすことが契約内に定められており、コストも考慮されておかなければなりません。

 

 

プロジェクト管理の振り返り

プロジェクトの振り返りを疎かにしてしまうケースがあるようです。

通常、多くの工事案件を抱えている業者は、キーパーソンを別の新しいプロジェクトへ移します。反対に少ない工事案件の場合は、コスト削減を図るために人員を早々に減らしていきます。

ただし、プロジェクトの振り返りが次のプロジェクトにとって大事になるので、組織内で人事のポリシーを策定しておくことが推奨されています。

 

 

プロジェクト向け契約書管理のまとめ

まず投資プロジェクトを実施するのであれば、オーナー側で意識しなければならないことがありました。

  • ビジネスの目的を明確にすること
  • プロジェクトを定義づけすること
  • リスク分析を行うこと
  • オーナーサイドから参加すること

 

契約戦略を実行するにあたり、次の2点を意識します。

  • オーナーサイドからはエンジニアリングや建設産業で経験を積んでいる人材が参加すること
  • 契約戦略の定義づけはオーナーサイドの必要不可欠なタスクであること

残念ながら上記2点目のタスクは契約請負業者に委任することはできません。

 

 

契約戦略の導入時に気をつけたいこと。

  • 入札プロセスが非常に大事であるということ
  • 入札参加者は見積もり内容を十分に理解し、自社の経験と有効なリソースに基づき提案書を提出すること

参加者は不明瞭なリスクを背負った状態で提案書を出すケースが多いです。

 

 

リスク管理がプロジェクトの成功を左右すると言っても過言ではありません。リスク管理を行うために、まずはベースエンジニアリング実施期にプロジェクトで発生するリスクの分析を行う必要があります。プロジェクトや契約の進行と共にリスクの再評価も重要です。

リスク分析をしたら、そのリスクを割り当てます。ここでは契約業者に対して不当にリスクを割り当てることを避けなければなりません。

 

 

契約書の管理も重要です。当事者は契約で定められている原理原則を遵守している必要があります。また策定された契約や決まった手順が守られているか、定期的に管理します。

契約管理は技術的側面のみならず、ビジネス的な観点で理解することも必須です。

 

 

委託者と受託者の間で合意された内容を記すのが契約書となります。契約書を締結する際には自由に議論できるような状態でなければなりません。契約書の原理原則は、以下のようなポイントが考慮されている必要があります。

  • 平等性
  • 信頼性
  • 善意
  • 共感性
  • 自発性

 

現在においては持続性のないプロジェクトは実現不可能と思っても過言ではありません。

持続性のないものはソーシャルライセンスを取得できないからです。

 

特に社会性・経済性・環境における持続性というものに意識する必要があります。

そのためにはプロジェクト検討段階から事前の調査を入念に行うことが必須。

 

チリでも環境影響評価制度があり、そのプロセス内に先住民民族との対話プロセスがあります。

プロジェクトの大きさによってはそのプロセスは必要不可欠となります。

エグゼクティブクラスの方には、こういった対話プロセスやその他論争などで交渉スキルが求められます。

 

 

論争の早期解決メカニズムを契約書に明記することが大切です。

論争が起きてからでは対応として遅く、予防することにことにフォーカスしましょう。

チリでは『Instituto de Ingenieros de Chile』や『Centro de Arbitraje y Mediación』という機関が参考にされています。

プロジェクトを開始する前からメカニズムを構築していきます。

 

 

オーナー側の契約担当者ですが法的側面と契約書に関する責任を必ずきちんと把握しておくべきです。

また法律に関する原理原則を知っておく必要もあるでしょう。

知識があればプロジェクトに最適な契約形態を選択することができ、良い管理を行うことができます。

駐在員の方が直接プロジェクト側の担当者にはならないと思いますが、契約内容を理解することでコミュニケーションツールになることがお分かりいただけましたでしょうか?

 

 

契約管理を行う際に大切なものは、スペイン語で『Matriz de responsabilidad』と呼ばれるものを準備し「責任所在の明確化」を行います。

契約担当者は契約内容に相違が生じないように監視をしなければなりません。

当事者の一方だけが作成するのではなく、双方で作り上げることが重要です。

契約内容として定められた活動全てを網羅しておく必要があり、それぞれのタスクに責任者を割り当てます。

また、それを作って終了ではなく、マンスリーベースなど定期的にチェックしていきます。

 

 

対話プロセスのところでもお伝えしたようにエグゼクティブクラスをはじめ、プロジェクト管理者や契約担当者も交渉力が必要となるシーンがあります。

そのために交渉テクニックを鍛えるための研修プログラムの導入が推奨されています。

 

 

最後に一番大事なことです。

プロジェクトが終われば、それまでに学んだことを振り返る必要があります。

その経験を次のプロジェクトに活かし、より良いプロジェクト管理を行うこと。

ただし多くの会社では、人材を次のプロジェクトへと移行したりします。

振り返りの大切さを理解し、会社のリソースを上手に使うことが求められます。

 

 

いかがでしたでしょうか?

第一回:プロジェクト

第二回:契約書

第三回:契約書管理

とモアイの学習内容をベースに記事にしてきました。

 

 

もちろん海外勤務はプロジェクト管理が全てはありません。

色んな側面から貢献されている方が多いのが現状です。

 

 

自分が大事だと思うこと。

こういった情報を学習している現地の社員と対等に渡り合う、

または管理する立場にある方は最低知っておかないといけない知識かと思います。

 

 

仮に全てが業務に活かせなかったとしても、

エッセンスがあると思うのでそれを上手に使うこと

こういったことが大切かなと思いました。

 

 

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