チリワイン

【完全保存版】チリワイン産地マップ『ヴァレー17選』

この記事では『チリワイン産地マップ』をご紹介します。

日本でもチリワインが大人気だと思います。でも「実はチリって国をあんまり知らない」という方が多いのではないでしょうか。ましてや「イタタ・ヴァレー」と言われて、「はいはい、あの辺りの地域ね」なんて想像できる人は少ないと思います。

せっかく高いお金を出してワインを買うなら「生産地や生産者のことを知りたい!」と思いますよね? でも実際のところ、チリワインの情報を入手できる情報源って少ないです。ちょっとチリワインのことを調べようとググってみたけど…あんまり理解できないという経験ありませんか。僕も数か月前まではちんぷんかんぷんでした。

ワインを飲んで分析する際に「産地の特徴」を知らないと具体的にイメージできないですよね。実際に学んでいくと、僕もチリのことがより好きになったし、チリワインへの愛情が一層湧いてきます。ぜひ一緒に学んでいきましょう!

 

(2024年9月28日更新)

チリワイン産地マップが更新されました。

大別して以下6つのリージョン(region)があります。

  1. アタカマ
  2. コキンボ
  3. アコンカグア
  4. セントラル
  5. サウス
  6. アウストラル

その6つの地域が、合計17個のサブリージョン(subregion)にわけられます。

そのうち、ブドウ栽培およびワイン造りが盛んなチリ中部の『セントラル・リージョン』『アコンカグア・リージョン』に該当するみサブリージョンのみ、さらに細かいゾーン(zona)が設定されています。

 

主要なブドウの産地(サブリージョン)
  1. Valle de Copiapó(コピアポ・ヴァレー)
  2. Valle de Huasco(ウアスコ・ヴァレー)
  3. Valle de Elqui(エルキ・ヴァレー)
  4. Valle de Limarí(リマリ・ヴァレー)
  5. Valle de Choapa(チョアパ・ヴァレー)
  6. Valle de Aconcagua(アコンカグア・ヴァレー)
  7. Valle de Casablanca(カサブランカ・ヴァレー)
  8. Valle de San Antonio(サンアントニオ・ヴァレー)
  9. Valle de Maipo(マイポ・ヴァレー)
  10. Valle de Rapel(ラペル・ヴァレー)
  11. Valle de Curicó(クリコ・ヴァレー)
  12. Valle de Maule(マウレ・ヴァレー)
  13. Valle de Itata(イタタ・ヴァレー)
  14. Valle de Bío Bío(ビオビオ・ヴァレー)
  15. Valle de Malleco(マジェコ・ヴァレー)
  16. Valle de Cautín(カウティン・ヴァレー)
  17. Valle de Osorno(オソルノ・ヴァレー)

 

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チリがワインの生産に適している理由

まずチリという国ですが、皆さんも一度は世界地図で見たことあると思います。そうです、南米にあるあの「縦に細長い国」がチリです。全長 4,300km もありながら、幅は 177km というスタイリッシュな形をしております。

サンティアゴを中心に「地中海性気候」の地域が多く、夏場は雨がほとんど降らず乾燥しております。こういった気候はブドウ栽培とワイン生産にとって「理想的」と言われております。

 

ヴィンテージワインのイメージとモアイのロゴ
チリワインのヴィンテージチャート|2013〜2016年が飲み頃チリワインのヴィンテージチャートによると、マイポとコルチャグアの赤ワインは 2013〜2016 年が飲み頃 飲料業界メディア『Wine...

 

チリは「フィロキセラ」という害虫被害を受けなかった国です。理由は定かではないのですが、北部には「砂漠・土漠地帯」、東部は「アンデス山脈」、西部は「太平洋」、そして南部は「パタゴニア氷原」が広がる地形のため害虫の侵入を防いだのでは、と言われています。

 

チリはフィロキセラの影響を受けなかったため、ボルドーの「カルメネール」が再発見されました。以下の記事でチェック!

carmenere
今やチリワインの代名詞!1994年に再発見された「カルメネール」1994年に再発見された「カルメネール」 わずか25年足らずの間に、チリのカルメネールは急激な変貌を遂げた。1994年に発見されて以来...
チリワイン産地マップ(改訂版)

それでは次に主要な産地の情報を見ていきましょう!

 

(以降の記事は追って更新いたします!)

 

チリの主要な産地

Valle de Elqui(エルキ・ヴァレー)

エルキ川付近にあり、チリ最北の産地。コキンボ州(第4州)の「ラセレナ」という街の近く。農業と観光が盛んな地域。「ピスコ」というブドウの蒸留酒の生産で有名。高地の方に行くと冷え込むため、寒冷地に適した「シラー」の栽培も行われる。

主要品種
  • モスカテル
  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • メルロー
  • ジンファンデル
  • カルメネール
  • ピノ・ノワール
  • カベルネ・ソーヴィニヨン

 

Valle de Limarí(リマリ・ヴァレー)

同じくコキンボ州(第4州)にある「オヴァジェ」という町の近く。この土地で栽培される「シャルドネ」は爽やかな酸味とミネラル感が特長的。フンボルト海流からもたらされる冷風で、冷涼な産地となる。また『カマンチャカ』と呼ばれる「海岸の霧」がブドウ畑を冷やす。夏の最高気温が25度以下と他のエリアよりも涼しい。この産地の土壌は岩がゴロゴロしており、方解石が含まれる部分もある。この産地も『ピスコ』の製造が行われている。

主要品種
  • シャルドネ
  • シラー
  • ピノ・ノワール
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • カルメネール

 

Valle de Choapa(チョアパ・ヴァレー)

こちらも同じくコキンボ州(第4州)にある「イジャペル」という町の近く。岩が多い土地が特徴的。シラーの栽培に最適。完全に余談ですが、イジャペルは義父の生まれ故郷。

主要品種
  • モスカテル
  • ペドロ・ヒメネス
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • カベルネ・フラン
  • シラー

 

Valle de Aconcagua(アコンカグア・ヴァレー)

こちらはバルパライソ州(第5州)の「キジョタ」や「サン・フェリペ」という町の近く。サンティアゴから車で1時間半の距離。最近では「ソーヴィニヨン・ブラン」の栽培が増加中。海から冷涼な風がもたらされるため、「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「シラー」などの栽培が盛ん。アコンカグア川は、「標高約 7,000 メートル」とアンデス山脈の中で最も標高の高い山にちなんで名付けられた。

主要品種
  • シラー
  • カルメネール
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • シャルドネ
  • ピノ・ノワール
  • ソーヴィニヨン・ブラン

 

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Valle de Casablanca(カサブランカ・ヴァレー)

こちらはバルパライソ州(第5州)の「カサブランカ」という小さな町の近くにあり、サンティアゴから車で1時間ちょっと。サンティアゴから港町の「バルパライソ」に向かう途中にあり、有名なワイナリーも豊富がゆえにツアー客が多い。太平洋からの冷涼な風と朝方の霧が特徴的。この産地の「シャルドネ」や「ピノ・ノワール」が人気。赤ワイン用の品種も栽培され始めている。

主要品種
  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • メルロー
  • シラー
  • ピノ・ノワール
  • ゲヴュルツトラミネール
  • ヴィオニエ

 

Valle de San Antonio(サンアントニオ・ヴァレー)

バルパライソ港に匹敵するくらい重要な港町のサンアントニオ。バルパライソから南に車で1時間半ほど。寒冷地向きのブドウの産地で、「ソーヴィニヨン・ブラン」などが多数。海岸沿いということで海風が冷たいのが特徴的で、ミネラル感のあるワインに仕上がる。

主要品種
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • ピノ・ノワール
  • シャルドネ
  • シラー
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • カルメネール
  • メルロー

 

Valle de Maipo(マイポ・ヴァレー)

チリにおける伝統的なワインの産地のひとつ。首都のサンティアゴを中心とした広大な産地。サンティアゴ市内にもいくつかワイナリーがあるし、サンティアゴ郊外になるとその数は計り知れない。高級チリワインも多く輩出している。「カベルネ・ソーヴィニヨン」がダントツに栽培されている産地。チリの東西に渡るこの産地では、3つのエリア(コスタ、セントラル、アルト)に分類される。

主要品種
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • メルロー
  • シャルドネ
  • シラー
  • カルメネール
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • カベルネ・フラン
  • マルベック
  • プティ・ヴェルド
  • セミヨン

 

Valle de Cachapoal(カチャポアル・ヴァレー)

サンティアゴよりやや南へ下った産地で、オヒギンス州(第6州)に位置する。銅鉱山もある「ランカグア」という地域にある。サンティアゴからランカグアまでは車で1時間ちょっと。この産地は海の影響がほとんどないことが特徴的。この産地にある「ペウモ」というエリアは、濃厚な赤ワインの産地として有名。特に「カルメネール」と「メルロー」が人気。

主要品種
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • カルメネール
  • メルロー

 

Valle de Colchagua(コルチャグア・ヴァレー)

この産地も同じくオヒギンス州(第6州)に位置する。「サンフェルナンド」という町に近い。サンティアゴからサンフェルナンドまでは車で1時間半ちょっと。この産地はカチャポアルと異なり、海の影響を受けるエリアもある。カチャポアル・ヴァレーとこのコルチャグア・ヴァレーで栽培されたブドウを使ったワインを『ラペル・ヴァレー』と称する。こちらの産地にもワイナリーがたくさんあり、ツアーも人気。この地域にある「アパルタ・ヴァレー」と呼ばれる特殊なテロワールでブドウが栽培されている。日当たりが良く、風通しも良いので、熟したフルボディのワインを造るためのブドウが採れる地域。

主要品種
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • カルメネール
  • メルロー
  • シラー
  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • マルベック

 

Valle de Curicó(クリコ・ヴァレー)

こちらの産地はマウレ州(第7州)の「クリコ」という町の近く。サンティアゴからクリコまで車で2時間半ほど。この産地も伝統的なワインの産地のひとつ。このエリアにもたくさんのワイナリーがある。「火山性」と「沖積性」という土壌が特徴的。

主要品種
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • メルロー
  • シャルドネ
  • カルメネール
  • シラー
  • マルベック
  • ゲヴュルツトラミネール

 

Valle de Maule(マウレ・ヴァレー)

こちらの産地もマウレ州(第7州)にあり、南北に広い産地。「タルカ」や「カウケネス」という町に近い。サンティアゴからタルカまで車で3時間弱。海に近いエリアもあれば、アンデス山脈に近いエリアもある。それにより土壌や気候に多様性が生まれ、さまざまな品種を生産できる。「パイス」や「カリニャン」という珍しい品種も栽培される産地。樹齢「70年」以上のカリニャンが見られる地域もある。

主要品種
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • シャルドネ
  • パイス
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • メルロー

 

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Valle de Itata(イタタ・ヴァレー)

こちらの産地はニュブレ州(第16州)の「チジャン」や「コンセプシオン」という町に近い産地。サンティアゴからチジャンまで車で4時間半ほど。16世紀半ばに「パイス」という品種のブドウが、この「コンセプシオン」の港から入ったと言われている。これまでに紹介してきた産地より降雨量が多いのが特徴的。湿度の高い地中海性気候で、他の産地に比べて気温が低く、四季がはっきりしている。土壌は砂質、花崗岩質でミネラルが豊富なため、生産性が高い。

主要品種
  • モスカテル・デ・アレハンドリア
  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • パイス
  • シャルドネ
  • カルメネール
  • メルロー

 

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Valle de Bío Bío(ビオビオ・ヴァレー)

こちらの産地はビオビオ州(第8州)に位置しており、チリ最南端にある産地のひとつ。「ロサンゼルス」という町に近く、サンティアゴから車で5時間半ほど。チリの南部といっても夏場は暑く、冬には雨が多い地域。「ピノ・ノワール」や「シャルドネ」の生産が多い。

主要品種
  • ピノ・ノワール
  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • サンソー
  • モスカテル・デ・アレハンドリア
  • マルベック
  • カベルネ・ソーヴィニヨン

 

Valle de Malleco(マジェコ・ヴァレー)

こちらの産地はラ アラウカニア州(第9州)の北部に位置する。「アンゴル」という町の近くで、サンティアゴから車で6時間ほど。温暖化によって「より南での栽培」が検討されているが、現時点の主要な産地としては最南端。

主要品種
  • ピノ・ノワール
  • シャルドネ
  • ソーヴィニヨン・ブラン
  • パイス
  • リースリング
  • ゲヴュルツトラミネール
  • マルベック

 

ワイン用ブドウの作付面積

前章では、各産地の特徴を簡単にお伝えしました。こちらの章では、ブドウの作付面積をご紹介します。データは『ODEPA』の報告書(Boletín de Vino)内にある「2021年の作付面積」を参照しました。本報告書によると、2021 年の総作付面積は【13万ヘクタール】でした。

日本の農林水産省の報告書によると、同年の産水稲(主食用)作付面積は【130万ヘクタール】とのことですので、チリのブドウ作付面積は水稲の『10分の1』となります。

 

州ごとの作付面積

ブドウの作付面積が一番多い州は「マウレ州」です。マウレ州には「クリコ・ヴァレー」と「マウレ・ヴァレー」の2つの産地がありましたね。

  1. マウレ州(52,823 ヘクタール)
  2. オヒギンス州(41,539 ヘクタール)
  3. 首都圏州(10,559 ヘクタール)
  4. ニュブレ州(10,370 ヘクタール)
  5. バルパライソ州(8,658 ヘクタール)
  6. コキンボ州(3,115 ヘクタール)
  7. ビオビオ州(2,796 ヘクタール)
  8. ラ アラウカニア州(107 ヘクタール)
  9. アタカマ州(55 ヘクタール)
  10. ロス ラゴス州(19 ヘクタール)
  11. ロス リオス州(19 ヘクタール)
  12. アリカ州(15 ヘクタール)
  13. その他(11 ヘクタール)

ブドウの品種ごとの作付け面積

  1. カベルネ・ソーヴィニヨン(37,754 ヘクタール)
  2. ソーヴィニヨン・ブラン(14,316 ヘクタール)
  3. メルロー(10,819 ヘクタール)
  4. パイス(10,465 ヘクタール)
  5. シャルドネ(10,345 ヘクタール)
  6. カルメネール(10,319 ヘクタール)
  7. シラー(6,755 ヘクタール)
  8. モスカテル・デ・アレハンドリア(4,318 ヘクタール)
  9. ピノ・ノワール(3,910 ヘクタール)
  10. マルベック(2,469 ヘクタール)
  11. カベルネ・フラン(1,627 ヘクタール)
  12. その他(16,990 ヘクタール)

最後に

ワインって敷居が高いイメージありませんか?

僕も最近ワインにハマるまでは、なんか「近寄りがたい印象」を持っていました。でも正直楽しめればいい!それがワインの良いところだと思うんですよね。産地の情報が少しでもイメージできれば、よりワインを楽しめると思います。

チリには主要な産地が14か所あります。縦に細長いチリは、基本的に夏はカラッとした天気が多く、「海沿い」や「山沿い」など同じ緯度でも特色が異なってきます。チリワインを手にしたときには、ぜひ産地の情報を思い出してみてください。

 

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@moaiswine

 

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