2019 年の収穫で、アコンカグア・ヴァレーのクラシックワインが『カルメネール・サン・ヴァレンティーノ』としてよみがえります。1月 17 日に、そのワインが発売され、マウロ・ヴォン・シーベンタルが他に手にしていたものが何か明らかになりました。
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それは新しいワインではなく、ワインの改名。昔からの控えめなエチケット(ラベル)が『サン・ヴァレンティーノ』となり、ギリシャやローマ神話に結びつけ、愛情行為を思わせます。そうして、グラン・レセルバと言う言葉を使うのをやめたのです。
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古代ローマで「ファウヌス」は昔から、田野や森、家畜、多産の神でした。ローマ神話では「ルベルクス」と呼ばれ、彼を崇拝し、2月 15 日に『ルペルカーリア祭』が開催されます。これは異教のお祭りで、ワインと暴力行為がつきものでした。お祭りが何度も度を越えて行われたため、 6世紀、ゲラシウス教皇は『ルペルカーリア祭』をキリスト教の節度のあるお祭りに替えてしまいました。それが【バレンタインデー】です。
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ヴィーニャ・ヴォン・シーベンタルがワイン醸造所に所有する「ファウヌス」は、カルメネールについても着想を得る、もうひとつの歴史的物語の主人公なのです。その起源は 19 世紀のポンペイでの発掘にさかのぼります。
ナポリ県ポンペイは、ヴェスビオ火山の噴火により姿を消してしまいました。後に、火山灰からギリシャを起源に持つ高さ 71 cm のブロンズ像が現れたのです。それが偉大な「ファウヌス」で、邸宅のアトリウムに飾られていました。その時から邸宅は「ファウヌスの家」と呼ばれるようになりました。
1800 年代末、ナポリの某鋳造所は 30 cm のファウヌス像の模造品をいくつか生産し、芸術的な貴重品を探しにイタリアを旅行していた裕福な旅行者用の正教会の一品となりました。ヴォン・シーベンタルのファウヌスは、チリへ渡る前は、「ルイス・マウントバッテン」のコレクションの1つでした。彼はヴィクトリア女王の曾孫、インド最後の副王兼総督、エディンバラ公フィリップの叔父にあたります。
リニューアルしたカルメネール・サン・ヴァレンティーノは 1/17 に、ワインショップの『La Vinoteca』で発売されました。マウロ・ヴォン・シーベンタル本人もその場に立ち会っています。
彼は、サンティアゴより北にある「サン・フェリペ村」近くに近々、イタリア家庭料理レストランがオープンするのを心待ちにしていると語りました。その場所は古くからの木造の屋敷で、内装は完全にリフォームされ、イタリアの味をアコンカグア・ヴァレーのあらゆるワイン醸造者のワインと共に、リーズナブルな価格で提供してくれるでしょう。
『カルメネール・サン・ヴァレンティーノ 2019』は、カルメネールワインの特徴を全て備えており、甘くスパイシーで、熟した黒系果実を感じられます。さらに、とても滑らかなタンニンで、程良い酸味のあるミディアムボディです。パプリカ、オリーブ、ボロネーゼパスタのようなのイタリア料理や白身・赤身肉のグリルとの相性が完璧です。
ヴィーニャ・ヴォン・シーベンタルの歴史は、見事なヨーロッパワインに熱中したマウロ・ヴォン・シーベンタルの歴史でもあります。彼は、 40 歳でスイスでの弁護士の職を捨てる決断をして、チリのアコンカグア・ヴァレーで卓越したワインを造ろうとしました。
- 1998 年:ワイナリー設立
- 1998 年:ブドウ植樹(10 ヘクタール分)
- 2000 年:ワイン醸造所建設
- 2002 年:初収穫
ワイン醸造所はアコンカグア・ヴァレーのパンケウエ村近く、サンティアゴから北へ 120 キロの場所に位置しています。トクナール(Toknar)やタタイ・デ・クリストーバル(Tatay de Cristóbal)、モンテリグ(MONTELÌG)のような優れた赤ワインは、十分に樽で熟成されるまで市場に出ないのが特徴。リオミースティコ(Riomístico)という木樽で熟成された素晴らしい白ワイン(ヴィオニエ)もあります!